2019/03/25

【広島県】尾道鉄道(尾道~市)


3月21日から25日までの5日間、帰省ついでに長男との男ふたり旅に出かけ、四国と尾道を巡ってきました。


男ふたり旅・・・ではありますが、
 長男は鉄ヲタ、父はカーキチ。
 長男は乗り鉄、父は廃線鉄。
という訳で、日中はほぼ別行動(笑)。

父は愛車を駆り、合計4カ所の廃線跡を探検してきました。

まずは最終日に訪ねた尾道鉄道の廃線跡から。尾道鉄道は尾道駅と北部の御調町の市(いち)駅を結ぶ路線。1957(昭和32)年には途中の石畦(いしぐろ)から市まで、そして1964(昭和39)年には残る尾道・石畦間がそれぞれ廃止されました。


実は尾道と御調にはそれぞれ妻の親戚が住んでいて、我が家には馴染みのある地域です。この日も尾道のお宅に泊めていただいたのですが、ここに有名な廃線跡があるとはこの日の朝まで知りませんでした。分かっていたらいろいろお話も伺えたかと・・・。




朝、青春18きっぷを買い与えてさっそく長男を放流(笑)。




以下、掲載している航空写真は全部で18枚。最後の18枚目を除き、全て1961年と現在のものを重ねています。



航空写真①
JR尾道駅の北側にある旧尾道駅跡は駐輪場に。広い駐輪場ですが、尾道鉄道の線路跡だけコンクリート敷となっているので、その形を想像することができます。

路線は尾道駅を出発して西走したのち北に90度方向転換します。そのあたりには開業当時の起点だった西尾道駅がありました。
航空写真①の真ん中には大きなショッピングセンターとその駐車場が写っていますが、残念ながら閉店していました。下の写真は西から撮影したものですが、線路跡はこの中を通り抜け北上します。ちなみに奥の山の上に移っているのはお城「風」の建物。今は廃墟となっています。

また、航空写真①の上部付近には地方事務所裏駅がありました。

航空写真②
画面最下部には青山病院前駅がありました。青山病院、この少し東側に今もあるようです。ここを過ぎると右へカーブし、画面中央やや下にあった宮ノ前駅(現在はバス停があります)を越え国道2号線のバイパスをくぐります。

航空写真③
上の方で廃線跡を横切っているのは山陽新幹線。新尾道駅です。画面の下から1/4、善照寺のあるあたりには栗原駅がありました。またその北、画面の下から1/3の付近で、路線はS字カーブを描いている川を渡りスーパー「アルゾ尾道店」の広い駐車場の端を通りぬけています。
アルゾ尾道店の周辺をアップしたところ。
駐車場の南に小さな建物が見えます(現在は撤去され空き地となっています)

下の写真は上の航空写真を西(左側)から見たところ。画面中央の細長い土地(航空写真に写っている建物があったところ)が旧路面と思われます。その右、川を渡るところに橋脚が見えています。







線路は川沿いに北上していましたが、いまはスーパーの建物が建っています。

航空写真④
左下に見える大池のほとりを右へカーブし始めるあたりには尾道高校下駅がありました。

航空写真⑤
画面最下部に三美園(さんびえん)駅がありました。

航空写真⑥
上部1/4付近に見えている広い敷地は中国バスの尾道営業所。ここは以前、尾道鉄道の車庫があったところで、その南には三成(みなり)駅がありました。

航空写真⑦

画面右半分には橋が見えていますが、そのたもとには木梨口駅がありました。この辺りから少しずつ山の中に入って行きます。

下の写真は、航空写真⑦のちょうど真ん中あたりの右カーブで撮影。この辺りは国道と廃線跡がほぼ同じところを走っています。

航空写真⑧
画面右端の橋のあたりに遊亀橋駅、中央やや左の学校の校庭の南あたりには木頃本郷(きごろほんごう)駅がありました。木頃本郷駅周辺は国道からは少し北に外れて走ります。画面真ん中に見える北に伸びる道路は、山陽自動車道・尾道ICの入り口です。

航空写真⑨
左端にある右カーブの途中に石畦(いしぐろ)駅がありました。石畦駅の少し手前(東方)にある「味平」さんでいただいた尾道ラーメン、なんと600円。よくある平打ち麺ではありませんが、うまかった!おすすめです。


航空写真⑩

石畦駅から先は再び北に進路を向けます。


航空写真⑪
画面下方に2つのトンネルが見えます。どちらも尾道鉄道の隧道を流用したものです。1つ目の「木門田ドンネル」は尾道鉄道の第1隧道を拡張して作られています。


そして次は「開ノ木トンネル」。左の小さいトンネルが尾道鉄道の第2隧道です。このトンネルを抜けたところには西校上駅がありました。


航空写真⑫
画面下方に国道から大きく外れ湾曲している箇所があります。ここには本線最大のヤマ場の一つ、第4隧道が残されています。

南側(尾道側)のポータル。きれいな馬蹄形です。

隧道の中。下半分は切石積み、上は煉瓦の長手積み。

そして北側(市側)。

あとで知ったのですが、この隧道、地元ではちょっと有名な心霊スポットだとか・・・。実はここでクルマのスモールランプがなぜかキーを抜いても片方だけ消灯しないという謎のトラブルが発生。単なる不具合であることを祈ります。

隧道の先も小さな川を越えて廃線跡は続きます。


航空写真⑬
路面はさらに北上。廃線跡はほぼ国道が踏襲しています。

航空写真⑭

左にカーブしたところが峠になっていますが、ここに畑駅がありました。すっかり雑草に埋もれていますが、よく見るとホームの跡が残っています。



航空写真⑮

画面左上で2つのトンネルを越えています。右から第7号隧道、第8号隧道です。現在はそれぞれ国道の畑トンネル、諸原トンネルとして使われています。下の写真は畑トンネル。市側のポータルです。



航空写真⑯

尾道鉄道最大の見どころはこの諸原駅のスイッチバックでしょう。廃線跡は国道を離れ、山に沿って左にカーブし下っていきます。

ただし、この先は私有地(工場)なので進入不可。

工場を抜けた先が諸原駅です。右が尾道側、左が市側。

諸原駅はスイッチバックなので行き止まり。

航空写真⑰
画面左下の諸原駅を出発すると廃線跡は終点の市駅を目指して下っていきます。


航空写真⑱


山を下り終えると終点の市駅です。現在は中国バスの営業所となっています。



国道はその先で旧山陽道と交差します。この先も延伸が予定されていましたが、残念ながら実現されることはありませんでした。


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